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開発ノートPR2026年

フルAIエージェントで作ったイベント栞アプリ「Yui(栞)」開発の裏側

Sea Kids Inc.

Sea Kidsが開発し、2026年7月7日に正式リリースしたイベント栞アプリ「Yui(栞)」は、事業面のマーケット調査・要件整理から、プロダクト設計・デザイン・実装・テスト、さらには商標登録といった法務対応まで、あらゆるフェーズをAIエージェントと協働して進めるという新しい挑戦をしました。本記事では、その開発プロセスと得られた知見を共有します。

Yui(栞)とは

「Yui(栞)」は、旅行・イベントの計画をみんなで楽しく作れる「イベント栞」アプリです。AIコンシェルジュが計画をサポートし、参加メンバーとリアルタイムで共同編集が可能。やりたいことから、AIが旅程を自動生成し、大切な思い出をアルバムとして残せます。

みんなが共有してくれた楽しいイベントを自分のやりたいことに追加したり、将来の夢を記録して少しずつ達成していく——そんな体験も、Yui(栞)は支えていきます。

プロダクト名の「栞(しおり)」は、旅やイベントの記憶を「栞」として保存し、いつでも開き返せるという世界観を表しています。「過去を未来に、未来を現実に、そして今を楽しむ」——Yui(栞)は、そんな体験を支えるアプリを目指しています。

「Yui」には、次の4つの意味を重ねています。

  • 一つにまとめる、むすびつける。ばらばらであったものが、つながりあって一つにかたまる。
  • よりどころ。よってきた筋道。大切な理由や物語を持ち続けること。
  • 唯一。かけがえのない、あなただけの体験や思い出。
  • 優衣優しい心を持った人、しなやかで優れた。人への思いやりを形にしていく。

なぜフルAIエージェント開発なのか

Sea Kidsは少人数チームです。限られたリソースの中で、アイデアを素早くプロダクトに変換するための手段として、AIエージェントを開発の中核に据えることを決断しました。

開発速度

設計→実装→テストのサイクルを圧倒的に短縮

品質担保

AIによるコードレビューと自動テストで品質を維持

並列実行

複数のエージェントが並列でタスクを処理

使用したAIツール

全体デザイン

Figma AI

UIデザイン全体の設計・コンポーネント生成にFigma AIを活用。デザインシステムの構築を効率化しました。

クリエイティブデザイン

Adobe Firefly

ロゴ・ビジュアル素材の生成にAdobe Fireflyを使用。ブランドイメージに合った水彩テイストのアセットを制作しました。

実装

Claude Code

フロントエンド・バックエンドのコーディングをClaude Codeで実施。設計から実装・リファクタリングまで一気通貫で対応しました。

AIエージェント

Claude API

アプリ内のAIコンシェルジュ機能にClaude APIを採用。旅程の自動生成・提案をリアルタイムで処理します。

AIエージェント

OpenAI gpt-image

思い出アルバムのビジュアル生成にOpenAI gpt-imageを活用。ユーザーの写真から自動でアルバムビジュアルを生成します。

AIエージェント開発の実際のプロセス

01

要件定義とアーキテクチャ設計

ユーザーストーリーと要件をAIエージェントに渡し、技術スタックの選定からDB設計・API設計まで一気通貫で叩き台を作成。人間はレビューと意思決定に集中しました。

02

デザイン制作

UIデザイン全体をFigma AIで設計し、コンポーネントやデザインシステムを構築。ロゴ・ビジュアル素材はAdobe Fireflyで生成し、ブランドイメージに合った水彩テイストのアセットを制作しました。デザインの方向性の決定を除き、制作作業はAIエージェントが担いました。

03

フロントエンド・バックエンドの並列実装

Next.js(フロントエンド)とNestJS(バックエンドAPI)を複数のAIエージェントが並列で実装。インターフェース定義を共有することで、独立した実装でも整合性を保てました。

04

AIコンシェルジュ機能の実装

Claude APIを使ったAIコンシェルジュ機能は、AIエージェント自身がプロンプトエンジニアリングを担い、ユーザー体験を繰り返し改善。AIがAIを改善するというループを実現しました。

05

テスト・デバッグ・リファクタリング

テストコードの自動生成、バグの特定と修正、コードのリファクタリングもAIエージェントが担当。人間のエンジニアは本質的な設計判断と最終レビューに注力できました。

06

AWSインフラ構築と自動デプロイ

S3・CloudFront・Route 53によるフロントホスティングに加え、ECS・RDSを用いたバックエンド基盤の設計・構築もClaude Codeが実施。GitHub ActionsによるOIDC認証を用いた自動デプロイパイプラインを整備し、mainブランチへのプッシュで本番環境へ自動反映される仕組みを実現しました。

事業面でのAI活用

開発・技術面だけでなく、事業を立ち上げるうえで必要なあらゆる場面でもAIエージェントを活用しました。

事業戦略の調整

資金調達の戦略立案やビジネス展開のシナリオ整理もAIエージェントと対話しながら実施。収益モデルの試算、事業拡大のロードマップ作成など、経営判断に必要な情報整理をスピーディに進めることができました。

マーケット調査・競合分析

ターゲット市場の規模感や競合プロダクトの調査・整理をAIエージェントが実施。短時間で網羅的な情報収集と比較分析のたたき台を作成し、意思決定のスピードを高めました。

事業要件・ユーザーストーリーの整理

「誰のどんな課題を解くか」「何を実現したいのか」という問いに対し、AIエージェントとの対話を通じてユーザーストーリーを言語化。曖昧だったプロダクトの要件を具体的な仕様へ落とし込む作業を大幅に効率化しました。

商標登録などの法務対応

プロダクト名「Yui(栞)」の商標登録に向けた調査・出願書類の準備もAIエージェントがサポート。法務の専門知識をAIが補完することで、少人数チームでも法的リスクに早期から向き合える体制を整えました。

得られた知見と課題

うまくいったこと

Claude Codeのおかげで、圧倒的なスピードで高品質な実装が実現できました。AWSインフラや法務対応など、チームにナレッジがない領域でも、AIエージェントが知識を補完しながらタスクを完遂。「やったことがないからできない」という壁がなくなりました。

デザイン面では、Figma AI・Adobe Firefly・OpenAI gpt-imageが大活躍。UIコンポーネントの生成からブランドロゴ・ビジュアル素材、思い出アルバムのビジュアル生成まで、デザイナー不在でもプロダクトとして成立するクオリティを実現しました。方向性さえ決めれば、あとはAIが形にしてくれる——そんな体験がデザイン領域でも実現できています。

  • 開発スピードが劇的に向上し、少人数でも高いレベルの実装を実現
  • 経験・ナレッジがないタスク領域でもAIエージェントが補完してくれる
  • ボイラープレートコードの生成速度が劇的に向上
  • 設計の意図をドキュメントとして残すことで、エージェントへの指示精度が上がる
  • 小さく明確なタスクに分解するほど、エージェントのアウトプット品質が高まる
  • 人間のレビュー工数が減り、本質的な意思決定に集中できる

残っている課題

  • 複雑なビジネスロジックは依然として人間の設計が不可欠
  • エージェント間の文脈共有と一貫性の維持に工夫が必要
  • セキュリティ・パフォーマンスレビューは人間の目線が重要
  • AIモデルのアップデートが頻繁にあるため、同じ指示でも対応の品質・精度が変わることがある
  • 同じミスを繰り返すケースもあり、指示の出し方を継続的に見直す必要がある
  • タスクの性質に合わせて「AIエージェントへの柔軟な指示」と「決まった仕様・ルーティンでの指示」を使い分ける判断が求められる
  • プロンプトごとに新しいタスクとして実行されるため、過去のやり取りを引き継いでいるわけではない。仕様・禁止事項・用語はCLAUDE.mdにまとめ、決定事項もこまめにドキュメントへ記録することが重要
  • AIエージェントの再起動・モデルアップデート・キャッシュクリアのタイミングで挙動が変わることがあるため、注意が必要
  • 指示の言葉遣いや文章量でAIの対応品質が変わる。急いでいるとき・文章が短い・雑な表現になると、意図と異なる解釈をされることがある。重要な指示ほど丁寧・具体的に伝えることが大切

まとめ

フルAIエージェント開発は、少人数チームが大きなプロダクトを作るための強力な武器になります。「人間が設計・判断し、AIが実装・検証する」という分業モデルは、今後のソフトウェア開発の新しい標準になっていくと私たちは確信しています。

Yui(栞)を公開しました。AIと人間が協力して作り上げたプロダクトを、ぜひお試しください。

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